[感想] HappyEND 1曲目 「夏の魔法 / HoneyComeBear」

HoneyComeBear が、8/1 - 8/10 の間アルバムに収録される曲を Youtube で公開していくそうです。zinbei さん の漫画も曲と同期して少しづつ公開され、ストーリーが展開されています。
 ここでは HoneyComeBear - 夏の魔法 (Official Music Video) の感想を書きます。
  8/1 公開時点でのネタバレを含みます。

夏の魔法 / HoneyComeBear

ストーリー

リクという男の子が主人公で、サチノという女の子に想いを寄せていたのですが、サチノは心不全で亡くなってしまい、リクはおそらく 8/11 に後を追うように自らの命を絶ってしまいます。
 天国で不思議な魔法使いにブレスレットをもらったリクは 10 日間の猶予を与えられ、もう一度 8/1 を生きることになり、サチノに会うことになります。

感想

物語

これ企画原案が HoneyComeBear なので物語の骨子が HCB だと仮定するとちょっと怖い天国の魔法使いとか結末は変えられなくてもというはじめから救いがないことが暗示されている部分に世界観的に納得が行きます。
 個人的に、HCB が今回のアルバムではそれまでのダンスミュージックのような路線(多くがサビ、ドロップに歌詞がなく純粋に音楽を楽しめる曲)から MV を含めて世界観を提示する路線(サビが歌詞ありで MV を見てより深く歌詞の意味を感じ取れる曲)に変更してきたと感じています。Revolver はその前段としてストーリーと音楽の融合による世界観の提示を行っていたんじゃないかなと思ったりします。そういった意味で漫画も同時公開しているのはかなり思い切っているというか、ファンとしてはとても嬉しいしどんどんギアを上げていく姿に僕も頑張って行きていかないとなあと勇気づけられます。
  MV でも触れますが MV の情報量がすごくて、それに対し漫画は 4 ページしかないのにここまで感情を詰め込めるのはすごいなと思いました。zinbei さんは今回 HappyEND で初めて知ったのですが、絵がかわいくてとても好きですね…これ想定される登場人物の年代がまだよくわからなくて、MV だと大人びていて高校生くらいにも見えるんですが漫画だと小学生くらいに見えます。8/1 に終業式ということや、黒板で書かれてわいわいしている教室の様子からは高校生ではないようにも感じるし、チョコボールを食べているところは高校生みたいだし、でも好きな子が亡くなって思い余ってしまうというのは中学生や小学生のような気もします。ここは本当にわからない。僕は高校生くらいを想定して物語を眺めています。

MV のよさ

MV めちゃめちゃ力強くないか…?最高!
 舞台が気になります。主人公のリクは宇宙が好きなようで、登下校中のシーンのバック右側にはロケットの発射台みたいなものがあります。夕暮れの家のカットで沖縄っぽい感じの屋根だなあと感じたのでこれは日本の南の方の島が舞台なんでしょうか。単純なことが〜のところ(2:47)くらいでリクの家?がちらっと映りますがこのあたり家の屋根が平らなので完全に沖縄ではみたいな気持ちになっていたが真相は果たして…?

この MV でひたすらに語りたいことは色々あるんですが、とにかくサビ 2 回めの夢の中のシーンの表現が最高!!!リクはおそらく自ら命を絶つことを決めたときからずっと気持ち的には驚きと、それと今度は喧嘩してもやもやして終わるんじゃなくてどうにかしたいという気持ちでずっとずっと気持ちが張り詰めていたはずで、サチノと自然を装って会話して家に着くなりベッドにごろんと横になってしまいます。サチノのことを想ってサチノが振り向くモーションとリクが目を閉じるまでが交互に来てリクが目を閉じた瞬間サチノが振り向いて、そのままサビに突入するんですよ!なにこれ!発想が天才!夢の中のサチノも素敵で、これは実際のサチノではないんですがリクから見たときのサチノがどう映っているかということだと思います。このくらいの年代って、教室が世界だからこそ好きな子の笑ったときの仕草とか、ふとしたときに出るその人らしい仕草を細かくみることができていて、別に特別なにかするわけでもないのにその時間は替えの効かない特別な時間になるという点があるのですが、それに近いものがすごいすごい伝わってきてしまって、サチノにリクが寄せている想い、そこから次の日に今日遊びに行こうよと誘う LINE を送るところの決心、既読がつくまで 3 分じっと待っているであろうこと、以前は深夜 1 時くらいまで LINE をしているくらいの仲であること、11 時集合ねと言ってスマホを閉じたリクの心の動きを考えると、HoneyComeBear や制作陣の運んできた夏の大きさに圧倒されて、今年の夏はもうそれだけで思い出に残るだろうな、と思いました。
 最後まで、HappyEND を見届けたいと思いました。楽しみです。