[感想] HappyEND 8曲目 「きみと君 / HoneyComeBear」

HoneyComeBear が、8/1 - 8/10 の間アルバムに収録される曲を Youtube で公開していくそうです。zinbei さん の漫画も曲と同期して少しづつ公開され、ストーリーが展開されています。
 ここでは HoneyComeBear - きみと君 (Official Video) - From “HappyEND” の感想を書きます。
  8/9 公開時点でのネタバレを含みます。

感想

この回は驚くほど泣いてしまいました。最初はこれは泣くやろ〜笑みたいな感じで 19 時に漫画を見て、音楽を聴いていて、それから 2 時間くらいよく漫画を見たり音楽を聴いているうちに、ちくしょう、なんでこの二人は死んでいるんだ!こんなことってありかよ、やっとサチノはリクが死んだことを知ったのにもう残り 2 日しかない。もっともっと、二人には現実世界の生身の体で花火大会に行ってほしいし射的で当てたりくじを引いてほしい。これからもずっとずっと二人でいてほしい。成長してもリクとサチノは色々なところに遊びに行って大切な時間を過ごしてほしい。でも!!死んでる!!!なんで!!!!ちくしょう…こんな報われないことってありかよ… とめちゃめちゃ感情移入してしまいました。今も書きながら涙が出ています。
 この回はストーリーがまじでやばいので zinbei さんの漫画の表現力が最高すぎて漫画家ってほんとうにすごいんだなと感じました。企画は HCB なので原作的な意味でもちろん HCB もすごいんですが、でもやっぱり表現に込められている魂を感じてこの HappyEND の漫画家が zinbei さんであることに感謝しか出てきません。ありがとうございます。
 前回の悪天からこのままじゃだめだ…という決意につながり、ここでこの世界に来る前の後悔を超えてサチノを探すリク。公園でサチノを見つけるんですがここの公園って悪天の MV で描かれている丸い遊具ですか…?サチノ、とリクが呼ぶコマでサチノの髪とかが濡れているのは雨の中喧嘩した元の公園に戻ってきてずっと待っていたということですか…??すでに涙腺崩壊です。たぶんこのときのサチノの心境としては、リクと喧嘩してしまったけどもうお別れするしきれいに別れたいな、という感じだと思われて、サチノはこの時点ではリクは 10 日間の猶予を与えられたリクだと知らない状態です。だからリクが謝って、少し意外そうな嬉しそうな顔をしたサチノは、今まで秘密にしていてごめん、と自分がすでに死んでいることを話し始めます。リクは自分と同じだったのかと驚いて、そのままサチノが「もういかなくちゃいけないの 私がいなくなっても リクに —」と言うこのセリフ、このコマ!!!
 サチノがずっとニコニコしている理由はもちろん生来のものもあると思いますが、10 日間の猶予を「いつも通り変わらない日常がいい」というスタンスで過ごしているからなのでした。だから、リクが死んでいるということを知らないサチノはこの世界を最後めいっぱい楽しんでリクに元気でね、という類の言葉をかけてきれいに別れようとしていたのでしょう。このサチノの強さにも涙が出ます。小学生とか中学生くらいの子がここまで強くニコニコしておられるんか!?この年代にとって世界のすべてはこの島一周分で、もっともっと知りたいことも、見てみたい景色もあるはずなのに、変わらない日常を大事にしようとするサチノの心に涙が出ます。
 そしてここからなんですが、リクが僕も 10 日間の猶予を与えられて来たんだと語るシーン!「僕は君に謝りたくて…天国で会った魔法使いが…君がこの 10 日間をくれたんだ…!」もうだめ。涙腺が崩壊して元に戻らん。ここリクが泣いていて、それは一番の後悔である、そしてこの 10 日間の猶予で一番言いたかったことを言えたからで、リクはこの後悔を抱えたまま死んでしまったことを考えるともう涙とまらん。
 さらにそれを受けた瞬間の驚くような、一瞬呆然とするサチノの顔、次に事態を理解して驚いて困ったような悲しいような顔をするサチノの顔、リクに抱きついて「私の後を追ったの?」というときの涙を流しながら困ったように笑うサチノの顔!!もうサチノの顔を丁寧に追っていくとマジで涙しか出ない。漫画家さんすごすぎる。
 そして漫画でばっちり世界観に入ってから音楽を聴き直すと Kaako さんの優しく歌う声と Monkey さんのこのサウンド!映画のクライマックスシーンのような、12 クールのアニメで 10 話くらいの後世に語り継がれる名場面を見たような、とても最高の気持ちになって、ようやく二人がお互いの状況を分かったこと、喧嘩を仲直りできたことを祝福して、すでに二人共死んでしまっていることがなぜだ…!とやるせなくて悔しくて涙が止まりません。
 でもサチノが 10 日間の猶予を渡されていることが明らかになったことで、リクは空想の幻想の中にあるサチノに会っているわけではなくて、目の前にいる君がきみであることを確認できたという点はとても嬉しかったです。これは二人が与えられた猶予の中にあるからこそ、死んでいるからこそこの世界では逆転して二人だけがこの幻想の中で本物なんだと思います。
  HappyEND に向けた準備が出来たようでいてもう終わりがやってきます。HoneyComeBear の曲が聴けた 10 日間もおしまいです。悲しいけど、終わりのある美しさを受け入れて HappyEND がハッピーエンドになることを祈りながら今日も 19 時を楽しみに待とうと思います。