社会に出て半年経った

具体的に会社のあれこれには触れずに、抽象的な振り返りをします。4月に新卒でIT企業に入社して、研修4ヶ月ほどの後で配属されてさらに4ヶ月が経ちました。もう半年以上働いているんですね。素直に自分を褒めたいです。

働き続けること、を自分の社会人指標に置いて暮らした

僕はスタートダッシュでテンション上げて目標を立てて、直後にテンションが下がって何にも満足に行かなくなるタイプだと、これまでの経験から分かっていました。そこで初めは「何か改善点が見つかっても、俺がこれしたい!と思っても絶対に追加で手を出さない。やるべきことだけをやる」というルールを決めて、とにかく最低限のことをやって元気に働き続けること、これだけを念じて暮らしていました。
最近ちょっと欲が出てしまって、追加でやりたいことをやろうと思ってあれこれ考えてたら季節の変わり目ということもあって精神的に不調になってしまったので、この原則を忘れてはいけないなと感じました。あまり大きな飛び道具ばかりを考えずに、まずは小さく、健康に働き続けられる範囲で頑張っていこうと思っています。

本当は会社へのインパクトの大きさとか、そういったものを指標に置いてがむしゃらに頑張ってみるのも憧れるのですが、先が長い社会人生活なので、まずは当たり前のことを当たり前にできるように暮らしていこうと思っています。

結果的に、季節の変わり目と悩みで精神的に不調だった以外は風邪を引くこともなく、コロナにもかからず、毎日元気に働いています。もちろん有給を取ってぼんやりしたり、定期的に行っている通院のために休んだりはしていますが、半年間の間自分のメンテナンスができて働き続けられていると言っていいんじゃないでしょうか。

「ことに向かう」ことで、シンプルな状態を保てる

「ことに向かう」という言葉はDeNAの南場さんについて調べていて出会いました。不恰好経営という本も読んだので、自分なりの解釈ができました。

例えば、会社でめちゃくちゃできる人とかには嫌われたくないなあ、とか、この人はいいなあ、とか、僕は人に対する感情を持ちます。それは仕事で人と人とが関わる以上必然なのですが、その先が大事だと考えています。大事なことは、その人に対する感情を持ちすぎないことです。それは自分に対してもそうです。「これは今自分がやりたい仕事か?自分は満足できているか?」を常に自問自答するというスタイルもありだとは思うのですが、個人的には「ことに向かう」ということは仕事をすることに集中して、他人や自分の評価や感情にリソースを割きすぎない状態を保つことだと理解しています。ステートレスに生きて、目の前の仕事に集中しましょう。この言葉に出会ってから、僕は寝る前に「今日会社でこんなこと言ったけどあれはこう言った方が心象的には良かったかなあ」と一人反省会をする頻度を減らしました。人間にベクトルを向けずに、お仕事とその先の目標に気持ちを向けたいです。

この半年間は結構ことに向かうように意識していました。給与が上がるといいな〜とか評価されたらいいな〜みたいな感情が無になったので雑念がなくなって、以前よりも集中して仕事だけを頭に置いて勤務時間を過ごせるようになりました。プライベートの時間でも嫌われたくないなあとか気に入られたいなあという感情を薄めにしたので、プライベートの時間に仕事関係のことで頭がいっぱいになって疲れるということも減りました。
そもそもお仕事というのはお金がもらえるくらいには複雑な事象を扱っているので、付随する雑念をできるだけ捨てることでシンプルな状態を保つことが、僕には合っているみたいです。

ずっと先の目標を据えて真面目に悩むと病んでしまう。ちょっとくらい雑に過ごして長く働く方が遠くへ行ける

新卒として会社に入ってきて、将来的にどういう感じになったら「いい感じ」なんだろう?と思って半年間過ごしてきました。
これについてはふわっとして言葉にできなかったのですが、こにふぁーさんの言葉がパキッと言語化されていて好きなので引用します。

どれだけ抽象度の高い仕事を任せられるかがグレード制におけるグレードの違いの要素なんだよな
https://twitter.com/konifar/status/1719310260362690960

例えば、経営者は「会社の業績を10%上げる」みたいな何すりゃええんやとなる目標に対して手を打ちます。それが、会社の業績を上げるためにはプロモーションを頑張りましょうとか、新機能を開発しましょうとか、人を採用しましょうとかに具体的に細分化されていき、結果的にチームのタスクに切り分けられている、という感じになります。

僕が入ったチームでは全てがトップダウンというわけではなく、ある抽象的な目標、使命みたいなものがあって、これに沿う形でタスクが切られているのでそういう意味では今のチームでチームとチーム外に対して納得行くようなタスクが切れるようになってきたらグレード制でいうところの上の方相当、つまりはいい感じになれるのだろうと思っています。

ここまでで抽象度の高い仕事を任されるようになりたい!という気持ちになってきました。
それはそれで良かったのですが、僕は真面目なのでさらに先を考えてしまいました。

10年後にどうなっていたらいい感じだろうか?抽象度をあげてチームレベルを超えて会社レベルで考えてみたら?こういう妄想はまあ夢物語になりがちで、考えれば考えるだけ今の自分との差に苦しくなります。結果的に心の調子が良くなくなってしまいました。

ここから得られる教訓としては、「先のことはほんのり意識するくらいにとどめて、具体的なロードマップを引いてみて自分が苦しくなるようだったら、まだ自分に視野と能力が足りないからロードマップを引くのを中断すると良い」ということです。ちょっとくらい雑に過ごして長く働いているうちに身につくものもあるでしょう。もっとざっくり働いてもきっと大丈夫です。

視野を広げる動作と、手札を増やす動作を意識する

以前学生の頃にも、「思考のみですべての選択肢の探索ができるわけではなく、行動によって手札を増やし視野を広げ、探索範囲を広げてから思考する方が効率がよく正解に辿り着く可能性も上がることがある」ということを考えていました。これはその社会版です。

結構会社特有のあれこれというのはありますよね。自分で悩んで考えてても仕方なくて、誰かに聞くほうが早いです。最近は自分がどれだけ手札を持った状態で人に聞きに行ったらバランスいい感じになるかな〜ということを考えて過ごしています。

例えば会社のドキュメントが実はあって〜みたいなことを教えてもらうのは聞きに行く意味がありますが、言語の公式ドキュメントを見ながら説明を受けるのは自分でひとりでやる方が効率がいい時もあります。こうした使い分けをするには、相談しに行った時の話の流れを想像して前もって当たりそうな話題周辺の手札を増やしておくことが重要なのかな、と思ったりします。まあそんなに上手くやれているわけではないんですけど。

また視野はタスクに関わることだけじゃなくて、チームの中での振る舞いとか、会社の全体的な話も含まれます。たくさんインプットしているうちに、最初はこれおかしいなと思っていたけど相応の理由があることや、やっぱりおかしいなと思うものが出てきます。情報をインプットして視野を広げたり、人と話をして自分の増やすべき手札を再確認したり、というサイクルを回していくと、なんかいい感じになるんじゃないかなと思います。

最後に

思ったよりも真面目になってしまいました。大事にしていることがこれなので仕方ないと思いつつ、もうちょっと真面目じゃない感じに書きたかったです。まあええか。
半年経ってみての感想としては、働くのって学生時代に想像していたよりは過酷ではなくて、学生時代に想像していたよりも自分が用意してた手札が少なかったというのを感じます。でもなんでもやってみるべきだと思って色々やっていた経験が今のチームでは生きているので、そこは良かったですね。
大きく稼ぐことよりも長く働くことを指標に持っているので、これからもあまり欲を張らずに健康に楽しく働いていきたいぞ!