チェンソーマン レゼ篇 を見てきた

なんかこう、デンジとレゼが仲良く学校に通うアニメを1クールスピンオフでやってくれないっすかねぇ〜〜!!それだけで救われる命があるんすけど!!!

という気持ちで一心に映画で登場した音楽をリピートしています。

JANE DOE 大好き

宇多田ヒカルってやっぱ天才だな〜!米津玄師の最高の歌詞で?宇多田ヒカルがメインで歌って?米津玄師が掛け合いする???そんなことがあっていいんですか?という至高の曲に、さらに映画のコンテキストが載って威力が2億になってる。

JANE DOEはレゼでもボムでもない、等身大の名前のない女の子の曲なのだろうと解釈しています。生まれた時から物のように扱われ、国家に尽くす戦士としての人生。そうした名目の元に、任務として嘘で固めた表情でデンジと接していた。デンジの単純な心がガラスなら、その上を裸足で歩くたびに名もない女の子の心はちくちくと傷んでいたのかもしれません。それでも、その痛みで真っ赤になった足跡を、人を大量に殺してしまってもう罪人として逃げるしかなくなってしまった血に塗れた跡を、それでも追いかけてきて欲しい。会いにきて欲しい。名もない女の子は任務の中でデンジと話をしたり、夜の学校で泳いだり、お祭りに一緒に行ったり、その積み重ねの全てが彼女にとっても新鮮で嬉しかったのだろうと思うと涙が出ます。

デンジが最後にお金を引き出してたくさん持って逃げる準備をして、待ち合わせのいつもの喫茶店で大きな大きな花束を抱えて、レゼが来ることを信じてずっと待っているのすごいいいですよね。デンジにとって花は道端に咲いていて食えるものという認識だったのだろうけど、レゼと出会うことで花がプレゼントするものに変わる。原作でもコーヒーを見てレゼを思い出すシーンがあったり、第二部で学校に行ったり、とにかくレゼの影響が大きくて涙が出ます。きっとデンジにとって自分に明確に好意を示してくれる初めての女の子がレゼで、背伸びをしたり同じ目線でふざけ合ったり、きっとすごい楽しい時間を過ごしていてかけがえのないものなんだろうなと思います。過ぎれば忘れてしまうような一夏の恋みたいなパッケージをしておきながら、デンジにとってはずっと残り続ける大切で苦い思い出というのがとっても好きです。

レゼの最後の「なんで初めて出会った時に殺さなかったんだろう」「デンジ君ホントはね」「私も学校いった事なかったの」がとても切ない。帽子を被って新幹線に乗る直前までレゼで、帽子を取って新幹線に乗らずに引き返し、走っていく時はもう完全に名もない女の子になっている。もうそんなの好きじゃん、と思うのだけど、最後にデンジの姿をガラス越しに目に収めて死ぬ。最後の最後に自我が出て、衝動のままに動き、「あの魔女に飼われているなら一緒に逃げても無駄」と言うマキマと対峙して戦おうとする。恋心を持っていたことを最後の最後に自覚しつつ、デンジに心の中で本当のことを話す。きっともっと他にも嘘じゃない本当の話をいっぱい重ねたかったはずで、たわいもない話をもっとずっと話したかったはずで、そうした背景を思ってレゼの感情を考えると、もうダメになります。

JANE DOEは追いかけてきて欲しい名もない女の子の心の奥のふとした表情みたいな曲でありつつ、最後に待ち合わせ場所ではレゼがデンジを追いかけて最後の最後に辿り着けないんですよね。最後の最後に追いつけなくて、こちらに気づいて欲しい。あの瞬間デンジが窓の外に目をやっていたら、追いかけていたら、また結末は変わっていたのでしょうか。でもデンジが窓の外に背を向けて待っているのはレゼが来ると信じ切っているからな気もするし… なんかもう正解が見つからない。やっぱりデンジとレゼが仲良く学校に通うアニメをやりましょう。

描写

映画的なシーンで言うと夏祭りの描写が完璧すぎて涙出ました。本当によく雰囲気を描写している。二人だけの世界の描写がうますぎる。恋をして世界が美しくなる描写、その人以外がスローモーションに見える描写、これら全てが完全な形で至高でした。

戦闘シーンも好き。チェンソーマン世界っぽい、なんでもありで殺し合いなんだけどどこかコミカルな感じもありつつな雰囲気がよく出ていて大好きです。

というかレゼを待ち続けてドアが開いた時にパワーが出てくるの、冷静に考えるとこの喫茶店は今日一人も客が来なかったのか??大丈夫かマスター

終わりに

レゼとデンジが幸せになる未来を見せてくれ〜〜 頼む未来の悪魔〜〜

デンジは戦闘中にこれ以上人が死ぬと目覚めが悪くなるから逮捕だ、と言いつつ、浜辺に打ち上げられた時はレゼになんか小骨が引っかかって寝覚めが悪くなるから〜と言ってて、これって人が死にまくることよりレゼを取ってるやん、と思いました。逃避行はやっぱり世界を敵に回して二人でどこまでも行く宛もなく逃げていくのが良い。

二人が逃げていく未来を見たかったです。